
ぼっち─選択はあなたに─
第18章 バトルトーナメント【6回戦】
「ふふ……」
ユズリノはその様子を見て微笑んだ。
もっと苦しめばいい、もっと──。
『ユズリノ……それがあんたのやりたかったことか?』
「えっ──」
その時、誰かの声が頭の中に響いてきた。
『俺とサンドイッチを食べたあんたが、本当のあんたじゃないのか?』
「!」
その声はアズサだった。
休憩時間、少しだけ一緒に過ごした──でもあのアズサは偽物でダイソンだったのではないか?
『俺の体は喰われたけど、俺の魂までは奪われなかったんだ。あいつは戦闘以外興味ないからね、休憩時間あんたと過ごしたのは俺だよ』
「……っ!」
『今では後悔してる、あんたを抱きしめなかったことを』
「──っ!」
ユズリノが牧師に絡まれた時、アズサにはユズリノの全てが見えていた。両親に愛されず虐待を受け教会に引き取られたこと、シスター見習い中に牧師に言い寄られ、仲間に裏切られたこと──。
『あんたの怒りや悲しみが伝わってきた。でもさ……サンドイッチ食べた時にあんたが見せてくれた笑顔は幸せそのものだった』
「……っ……」
そうだ、なぜだかあの時は本当に作り笑いなんかじゃなく、心から幸せを感じていた。
ユズリノはその様子を見て微笑んだ。
もっと苦しめばいい、もっと──。
『ユズリノ……それがあんたのやりたかったことか?』
「えっ──」
その時、誰かの声が頭の中に響いてきた。
『俺とサンドイッチを食べたあんたが、本当のあんたじゃないのか?』
「!」
その声はアズサだった。
休憩時間、少しだけ一緒に過ごした──でもあのアズサは偽物でダイソンだったのではないか?
『俺の体は喰われたけど、俺の魂までは奪われなかったんだ。あいつは戦闘以外興味ないからね、休憩時間あんたと過ごしたのは俺だよ』
「……っ!」
『今では後悔してる、あんたを抱きしめなかったことを』
「──っ!」
ユズリノが牧師に絡まれた時、アズサにはユズリノの全てが見えていた。両親に愛されず虐待を受け教会に引き取られたこと、シスター見習い中に牧師に言い寄られ、仲間に裏切られたこと──。
『あんたの怒りや悲しみが伝わってきた。でもさ……サンドイッチ食べた時にあんたが見せてくれた笑顔は幸せそのものだった』
「……っ……」
そうだ、なぜだかあの時は本当に作り笑いなんかじゃなく、心から幸せを感じていた。
