
ぼっち─選択はあなたに─
第5章 ソルトの町【選択3】
ヒカルは物置部屋の小さな窓から、オレンジ色に染まる町をぼんやりと眺めた。
(この先、自分はどうなってしまうんだろう……)
魔女に自分で行動を決められない呪いをかけられてしまったヒカル。なんとかここまで運良くきたわけだが、この先も無事だとは限らない。
一晩ここに泊めてもらえたけど、明日からどうするか考えなくては──いいや、自分が考えたところで行動は決められない。せめてうまくいくように願うだけだ。
──数分後。
「大変よ!」
ヒカルの制服を持って、レイナが慌てて物置部屋に飛び込んできた。
「洗ってたらこうなってしまったの!」
よく見ると、スカートの裾の部分が縦に引き裂かれている。
「私、いつもどおりに洗ったのよ? でも生地がちょっと……」
「あの……裁縫道具ありますか?」
「裁縫道具? ごめんなさい、私針を使うのは苦手なの。だからね、今から仕立て屋さんに行ってくれないかしら?」
「えっ……」
ヒカルは窓の外をチラ見する。
「大丈夫よ、夕陽が沈む前に戻ってこれるわ。だってすぐそこだもの」
レイナは自分で書いた地図をヒカルに見せた。
「私が行きたいところだけど、これからデザートを作らないといけないの。みんな私の作るカボチャパイを楽しみにしてくれてるのよ」
「……わかりました……」
レイナに押しきられて、ヒカルは自分の制服と地図を受け取った。
(この先、自分はどうなってしまうんだろう……)
魔女に自分で行動を決められない呪いをかけられてしまったヒカル。なんとかここまで運良くきたわけだが、この先も無事だとは限らない。
一晩ここに泊めてもらえたけど、明日からどうするか考えなくては──いいや、自分が考えたところで行動は決められない。せめてうまくいくように願うだけだ。
──数分後。
「大変よ!」
ヒカルの制服を持って、レイナが慌てて物置部屋に飛び込んできた。
「洗ってたらこうなってしまったの!」
よく見ると、スカートの裾の部分が縦に引き裂かれている。
「私、いつもどおりに洗ったのよ? でも生地がちょっと……」
「あの……裁縫道具ありますか?」
「裁縫道具? ごめんなさい、私針を使うのは苦手なの。だからね、今から仕立て屋さんに行ってくれないかしら?」
「えっ……」
ヒカルは窓の外をチラ見する。
「大丈夫よ、夕陽が沈む前に戻ってこれるわ。だってすぐそこだもの」
レイナは自分で書いた地図をヒカルに見せた。
「私が行きたいところだけど、これからデザートを作らないといけないの。みんな私の作るカボチャパイを楽しみにしてくれてるのよ」
「……わかりました……」
レイナに押しきられて、ヒカルは自分の制服と地図を受け取った。
