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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

「とてもお似合いですわ、レシピェール様」

 燕尾服を着こなすレシピェールの姿を見て、仕立て屋の娘がうっとりした表情で見つめる。

「ありがとう。昔より筋肉がついちゃったから着れるか心配だったけど……うん、これなら大丈夫ね」

 レシピェールは等身大鏡に写る自分の姿を確認すると、満足げに微笑んだ。
 
 今のレシピェールの姿はどこからどう見てもイケメン執事にしか見えない。スキンヘッドに近い短髪だった頭には金髪ロングヘアーのウィッグをつけてひとつに束ね、顔はいつもと違う化粧の仕方で紳士らしく凛々しくさせた。

「ま゜」
「あら、昔好きだった男に似てるですって? ふふっ、ナツコは男を見る目があるようね」

 レシピェールの隣ではミトナツコが微笑んで立っている。

「うふん、なかなかのイケメンじゃなあ~い。セーラー、アソコが疼いちゃうぅ~」

 酔っぱらってベロンベロンのアバレセーラーがレシピェールに絡むと、

「あんたは大人しく宿屋で寝てなさい」

 レシピェールはアバレセーラーにデコピンした。

「じゃあ、行ってくるわね……じゃなかった、行ってきます。ヒカルお嬢様を助けに行って参ります」

 レシピェールは凛々しく微笑むと、ザッハ伯爵の屋敷へ向かった。


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