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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

 馬を走らせて一人屋敷に向かうと、屋敷の敷地内で運良く本物の執事と出くわした。

「あなたは誰ですか?」
「私、新しくザッハ伯爵様に仕えることになりました、レシピェールと申します」
「執事? そんな話は聞いていませんね」
「でしょうね」

 レシピェールはニッコリ微笑むと、すばやく手刀で気絶させた。

「悪いわね、少し眠っててもらうわよ」

 気絶した執事の男を担いで屋敷内に入ると、すぐに家政婦のオルバが現れた。

「一体何事です? あなたは……」
「お久しぶりです、オルバ様」
「まあ、レシピェール!? どうしてここに?」

 どうやらオルバとレシピェールは知り合いだったようだ。

「前の領主様が亡くなってから屋敷を出ましたが、またこちらで働かせていただけないかと思いまして」
「そういうこと……それでうちの執事はどうしてそんな状態に?」

 オルバは気絶している執事の男を怪訝そうに見つめる。

「私が屋敷内に入った時、ちょうどこの方がシャドーに襲われていまして」
「まあ、こんな所にまでシャドーが?」
「気絶しているので、部屋で寝かせてあげましょう」
「助かるわ、レシピェール。あと彼の代わりに仕事をお願いしていいかしら」
「喜んで」

 レシピェールはニッコリ微笑んだ。


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