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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

「ヒカルっ──!!」

 叫んでもその声はもう届かない。
 黒い空間は完全に消えてしまった。

「嘘でしょっ……助けられなかったなんて……!」

 レシピェールは愕然とする。
 あと少し早ければ助けられたかもしれないのに……必ず助けると約束したのに──!

「くっ……!」

 レシピェールは悔しさのあまり、拳を床に叩きつけようとした──その時。

「……んんっ……」

 ガタガタという音とともに、微かに少女の声が聞こえてきた。

「誰っ? 誰かいるの!?」

 その時、屋敷の明かりが回復した。
 辺りを見回すと、両手両足をシーツで縛られ、布で口を覆われたメイドが机の下に寝転がっているのが見えた。

「今助けるわ!」

 レシピェールはシーツと布をほどきながら、そのメイドの顔を確認する。

「……ヒカル!?」

 なんとそのメイドはヒカルだった。

「レシピェールさんっ……」
「どういうこと!? じゃあザッハに連れ去られたのは──」
「メイドのエマです。エマはあたしの制服を着ていてザッハに……」

 エマと聞いて、レシピェールはその顔を思い出した。

「なるほど、ヒカルを縛ったのもエマなのね」

 ヒカルは頷いた。

「……よく我慢したわね、ヒカル。大丈夫よ、もう大丈夫。全ては終わったのよ」

 レシピェールはヒカルを優しく抱きしめながら、心から安堵した。



※【選択6】のバッドエンドは『メキユは料理人見習いとして屋敷へ、他二人は闘技場へ』でした。

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