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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

「さあ、レシピェール選手、今のうちよ! ヒカルを助けに行って!」
「えっ、あんたまさか……ユッキーメ!?」

 メイドを改めて見ると、髪型は違うがバトルトーナメントの司会をしていたユッキーメだった。

「ただ者ではないと思ってたけど……助かったわ!」

 レシピェールはすぐに部屋から飛び出した。
 一瞬オルバの姿を見たが、あとのことはユッキーメに任せようと思った。
 きっとエルザたちは法によって裁かれるだろう。そしてこんな残虐的なことはもう二度と起きないだろう。

 廊下の窓からは、松明の火がいくつも見えた。ユッキーメの言うとおり、屋敷の周りを兵士たちが取り囲んでいるのは本当だった。

(それにしてもザッハの奴、逃げ足の早い……)

 その時、屋敷内の明かりが全て消えた。

「何っ!?」

 レシピェールは手探りで移動する。
 その時、ある部屋の前から話し声がした。

「ヒカル、私と一緒に来るのだ」

 ザッハの声だ。

「待ちなさい! そうはさせないわよ!」

 レシピェールはドアを開けて部屋に飛び込むと、ちょうど月明かりに照らされて、ザッハが制服を着た少女を抱きかかえて立っているのが見えた。

「ヒカル!?」

 ザッハの足下には何か黒い空間があるのが見えた。
 二人はその空間の中に沈んで消えてしまった。


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