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ぼっち─選択はあなたに─

第24章 モンブラン城の秘密

「そうね、じゃあ遠慮なく休ませてもらうわ。これ以上寝相の悪いメキユを背負うのは疲れるし。レイナ、部屋は空いてるかしら?」
「もちろん、こっちよ」

 レイナがレシピェールたちを二階に案内するのを見届けると、ヒカルはフラッと立ちくらみをした。

「──おっと、大丈夫?」

 とっさにリュージンとクロードがヒカルを支えようとする。しかし先にヒカルを受け止めたのはリュージンだった。

「ありがと……リュージン」
「ヒカルも早く休んだ方がいい」

 リュージンはとりあえずヒカルを椅子に座らせる。その様子をそばで見ていたクロードは一息つくと、踵を返して宿屋を出ていこうとした。

「待って、クロードっ……」

 ヒカルに呼び止められて、クロードは足を止める。

「もう、もうっ……、一人でモンブラン城に行かなくていいんだよね?」
「!」

 事態が変わった以上、ザッハの命令に従うことはなくなった。しかし、モンブラン城にはナツミがいる。

「……今後のことは討伐隊の皆と話し合うつもりだ。だから心配しなくていい」

 表情は見えないけどクロードの背中を見つめて、ヒカルはホッと胸を撫で下ろした。

「良かった……」

 そして安心したヒカルはそのまま意識を手放した。


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