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ぼっち─選択はあなたに─

第24章 モンブラン城の秘密

「はい、やはりバーム教団に動きがありました。ザッハは黒フードを被った者たちと共に、モンブラン城へと向かったようです」

「バーム教団?」

 すかさずバットが質問する。

「バーム教団とは、隣国グラドリア王国の宗教団体のひとつです。表向きは楽団として活動していますが、裏では黒魔術などを使って数々の犯罪行為を犯しています」
「げっ、カルト宗教かよ」
「楽団……まさか」

 それに気づいたクロードにリュージンが頷く。

「ああ、半年前……父上と母上、そしてモンブラン城にいた者たちを石化させたのは、バーム教団のやつらだよ。やつらは楽団として王妃の誕生日パーティーに潜り込み、《禁断の旋律》を奏でた。しかも楽団長はオレが幼い頃、楽器の演奏を教えてくれた音楽の先生で、ガトー・ガノフという男だ」
「!」

 衝撃的な事実に頭が追い付いていかない。
 まさかリュージンの一番近くにいたかもしれない人物が、リュージンの家族の命を狙っていたなんて…。

「じゃあ闘技場で俺たちを石化させたのも……」
「そう、ガトーだよ」

 クロードは拳をギュッと強く握った。
 今すぐにでも取っ捕まえてやりたいところだが、相手は黒魔術を使うカルト団体だ。下手に手は出せない。


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