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ぼっち─選択はあなたに─

第24章 モンブラン城の秘密

 それならば今、ナツミの石化を解けるのはヒカルしかいない。自分が持っているルビーの指輪は神の力の効力がなくなってしまったからだ。

「クロードはナツミの石化を解きたいんだよね。わかるよ……オレも父上や母上を助けたい。だからヒカルには護衛をつけて、一緒にモンブラン城へ行ってもらうつもりだ」
「おい、ちょっと待て! シャドーはどう倒すんだよ! いくらヒカルが神の子だからって……城の中にもウジャウジャいるんだぜ!?」
「そのことだけど、調査していた君たちに聞きたい。城の中には入ったのか?」
「入ってない。でもナツミから指輪をもらって城から逃げてきた老人がいる。彼の話では城の中もシャドーだらけだったそうだ」
「ギルバートさんな」
「そうか……その老人に詳しく話を聞くとしよう」

 そう言ってリュージンが立ち上がろうとした時、部屋の扉を叩く音がした。

「失礼します、討伐隊のクロード様にお会いしたいという女性の方が来ております。お通ししてもよろしいでしょうか」
「俺に?」

 誰が会いにきたんだろうか、女性の知り合いなんてレイナくらいしかいないと思いつつ、扉に目を向けると──その現れた人物に目を奪われた。

「ナツミっ……!?」

 そこに立っていたのはモンブラン城で石化したはずのナツミだった。



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