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ぼっち─選択はあなたに─

第26章 黒い犬【選択8】

「うーん。お弁当を届けるのと、薬を買ってくる依頼がいいかな……」

 ヒカルは最初は簡単そうなのからやることにした。

「わかりました。では、受付してきますね」

 ミーナがボードから依頼のメモを取って、受付に持っていく。受付のシスターと話したあと、すぐに戻ってきた。

「お昼も近いし、お弁当を届ける方からやりましょうか」

 ヒカルは頷く。

「まずは依頼したアクアさんのおうちに向かいましょう。地図は頂きましたので」

 地図を広げると、細かく住民の名前が書かれていた。アクアさんの家はこの近くだった。

「……なんか緊張しちゃいますね」
「ですね」

 ミーナはにっこり微笑む。
 緊張しているのは自分だけではないのだとヒカルはホッとした。
 
 こじんまりとした木造の家の前に着くと、ミーナは躊躇なく扉をノックした。

「すみません、修道院からのお使いで来ました、ミーナと申します」
「あ、はーい。ちょっと待ってください」

 扉を開けて出てきたのは、茶色の髪をひとつに束ねた若い女性だった。

「じゃあこれ……お弁当お願いします」

 若い女性は布に包まれたお弁当をミーナに手渡す。

「どちらにお届けしますか?」
「……討伐隊本部に」

 それを聞いてヒカルは思わず「えっ」と反応してしまう。



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