
ぼっち─選択はあなたに─
第26章 黒い犬【選択8】
「……すまない、プジョー」
ロイドは頭を抱えながら呟いた。
プジョーたちが本部から出ていくのを見届けるとフラフラと立ち上がり、食堂へと向かった。そして厨房にある冷蔵庫を開けて、中を物色する。肉の塊を手に取ると、ジャケットの中に隠す。自分の部屋に入る頃にはヨダレが出て止まらなかった。
肉の塊を生のままかぶりつく。
肉が欲しくてたまらない。
お腹が空いてたまらない。
「はあっ、はあっ……ウウッ……」
狂ったように食べ続けたあと、我に返って吐く。
「はあっ、はあっ……またやってしまった。なんでオレはこんなことをっ……!」
いつからこんな体になってしまったんだろうか──自分の体が自分でコントロールできない、何かに体を乗っ取られているような感じがする。
今までなんとか隠してきたが、最近更にひどくなってきた。
それにあの女──なにかと自分に近づいてくるアクアという女のことを考えると、頭痛が激しくなる。正気ではいられなくなる。今日こんなふうになってしまったのも、あの女が作った弁当を食べたからだ。受け取るつもりもなかったのに、何かの記憶が自分の頭の中をよぎった。それを思い出せばスッキリするのに思い出せない。
「ああ、オレはどうなっちまうんだろうな……」
手遅れになる前に、町を出なければいけない──ロイドはそう考えながら、ベッドに横になった。
ロイドは頭を抱えながら呟いた。
プジョーたちが本部から出ていくのを見届けるとフラフラと立ち上がり、食堂へと向かった。そして厨房にある冷蔵庫を開けて、中を物色する。肉の塊を手に取ると、ジャケットの中に隠す。自分の部屋に入る頃にはヨダレが出て止まらなかった。
肉の塊を生のままかぶりつく。
肉が欲しくてたまらない。
お腹が空いてたまらない。
「はあっ、はあっ……ウウッ……」
狂ったように食べ続けたあと、我に返って吐く。
「はあっ、はあっ……またやってしまった。なんでオレはこんなことをっ……!」
いつからこんな体になってしまったんだろうか──自分の体が自分でコントロールできない、何かに体を乗っ取られているような感じがする。
今までなんとか隠してきたが、最近更にひどくなってきた。
それにあの女──なにかと自分に近づいてくるアクアという女のことを考えると、頭痛が激しくなる。正気ではいられなくなる。今日こんなふうになってしまったのも、あの女が作った弁当を食べたからだ。受け取るつもりもなかったのに、何かの記憶が自分の頭の中をよぎった。それを思い出せばスッキリするのに思い出せない。
「ああ、オレはどうなっちまうんだろうな……」
手遅れになる前に、町を出なければいけない──ロイドはそう考えながら、ベッドに横になった。
