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「うっ……！」

　その時、一人の隊員が呻き声を漏らした。

「どうした！？」

　呻き声を漏らした隊員の顔には、なにか黒いものが貼り付いている。

「シャドーだ！！」

　みんな一斉にその隊員から距離を取り、火炎放射器を構える。しかしシャドーが隊員の顔に貼り付いているため、攻撃することができない。

「おい、ジャン！ そのシャドーを剥がすんだ！」

　周りの隊員がそう呼びかけるが、ジャンという隊員からは返事がない。剥がそうと抵抗はしているものの、更に触手が伸びて頭全体を覆ってしまった。

「無理ですよ、こんなのっ……！」

　助けに行けば他の隊員もやられてしまうのは目に見えていた。

「ちくしょっ──！！」

　プジョーの隣にいたラナンが、意を決してジャンを助けに行く。

「だめです、ラナンさんっ！！」

　しかし貼り付くシャドーに手をかけた瞬間、今度はラナンがシャドーに襲われた。
　触手は四方八方に伸びて、ラナンの体を覆い尽くす。

「ラナンさんっ！！」

　助けに行こうとするプジョーをクロードが止める。

「離してください、ラナンさんがっ……！」
「俺が行く」

　クロードは火炎放射器を構えて、ラナンごとシャドーを燃やした。

『ギャアアアアアッ！！』

　炎に焼かれたシャドーはスルスルとラナンから離れる。