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ぼっち─選択はあなたに─

第26章 黒い犬【選択8】

「ラナンさんっ!」

 プジョーがラナンに駆け寄ると、ラナンの体からは焼けた匂いがした。

「ラナンさんっ……」
「……へへっ……クロードのやつ、躊躇なく火炎放射器使いやがって……おかげで火傷程度で済んだぜ……」

 ラナンは酷い火傷を負ったものの、生きていた。

「良かったっ……」

 プジョーは安堵の息を漏らすと、今度はジャンの身を案じた。
 ジャンのそばにはバットがついている。

「大丈夫だ、息はしている」

 とりあえず一同は討伐隊本部に戻ることにした。

(なんだろう、なんか……)

 討伐隊本部に戻る途中、プジョーはずっと違和感を感じていた。

(なんかシャドーが前よりも強くなった気がする……)

 前は松明を持っていれば襲っては来なかった。
 今回は松明は持っていないにしても、町の明かりで周囲は十分明るかった。にも関わらず、シャドーは襲ってきた。

(明るさに慣れ始めている……?)

 だとしたらいつ家の中に入ってきてもおかしくない。

「クロード先輩に相談しないと……」
「プジョー、どうしたんだ?」
「ロイド先輩!」

 討伐隊本部の建物に入ると、正面入り口の階段からちょうどロイドが降りてきた。


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