
ぼっち─選択はあなたに─
第26章 黒い犬【選択8】
「ジャンさんとラナンさんがシャドーに襲われて大怪我をしたんですっ!」
「そうか……」
「先輩は大丈夫でしたか?」
「問題ない。それよりもプジョー、何か食べるものを持ってないか?」
「えっ……」
ロイドがニヤリと笑う。
「さっきから腹が減って仕方ないんだ」
「食べ物ですか……すみません、今はこれしか」
そう言いながらズボンのポケットから非常食用のビスケットバーを出すと、ロイドは無言でそれを奪った。
「先輩……?」
ロイドはビスケットバーの包みをビリビリに破くと、口に放り込んでムシャムシャと食べた。
「こんなんじゃ足りんな……」
ロイドは不満を漏らしたあと、周りをキョロキョロする。
「あの先輩、お腹が空いたのなら食堂に行けば……」
「肉は食った。クソまずかったがな」
「えっ……」
「プジョー、ジャンとラナンはどこ行った?」
「もちろん医務室にですよ」
「わかった」
「え、ちょっ……今はだめですよ! 二人とも重症なのでっ……」
「だから様子を見に行くんだろうが」
「……」
なんだかロイドの様子がおかしい。まるで別人になってしまったかのようだ。
今まで食べ物の不満なんて言ったことはないし、人の物を奪ってまで食べ物に執着したこともなかった。
それにおかしいところは他にもある。
アクアという女性についてだ。
「そうか……」
「先輩は大丈夫でしたか?」
「問題ない。それよりもプジョー、何か食べるものを持ってないか?」
「えっ……」
ロイドがニヤリと笑う。
「さっきから腹が減って仕方ないんだ」
「食べ物ですか……すみません、今はこれしか」
そう言いながらズボンのポケットから非常食用のビスケットバーを出すと、ロイドは無言でそれを奪った。
「先輩……?」
ロイドはビスケットバーの包みをビリビリに破くと、口に放り込んでムシャムシャと食べた。
「こんなんじゃ足りんな……」
ロイドは不満を漏らしたあと、周りをキョロキョロする。
「あの先輩、お腹が空いたのなら食堂に行けば……」
「肉は食った。クソまずかったがな」
「えっ……」
「プジョー、ジャンとラナンはどこ行った?」
「もちろん医務室にですよ」
「わかった」
「え、ちょっ……今はだめですよ! 二人とも重症なのでっ……」
「だから様子を見に行くんだろうが」
「……」
なんだかロイドの様子がおかしい。まるで別人になってしまったかのようだ。
今まで食べ物の不満なんて言ったことはないし、人の物を奪ってまで食べ物に執着したこともなかった。
それにおかしいところは他にもある。
アクアという女性についてだ。
