
ぼっち─選択はあなたに─
第27章 西の森【選択9】
「神の子は私一人で充分です、四人もいらない。私が全ての石の力を受け継いで、神の子……いいえ、神になります」
「!?」
「この世界をどうするかは、私が決める。だからヒカル、取り引きしましょう」
「えっ……」
マナミはポケットから小瓶を取り出すと、ヒカルの前に差し出した。
「これは……」
小瓶の中には、いかにも毒々しい紫色の液体が入っている。
「これを飲めば、記憶が元に戻ります」
「!」
それを聞いて、そばにいたアクアが反応する。
「ヒカル、あなたはアクアさんを助けたいんですよね? だったらこの薬を手に入れる代わりに、エメラルドの石を渡してください」
「!」
「悪い話じゃないと思いますよ。エメラルドの石を私に託せば、もうあなたは神の子から解放されるんですから」
マナミからの提案に、ヒカルの気持ちが揺らぐ。
確かにヒカルにとって『神の子』はプレッシャーでしかなかった。この石の力のせいで、嫌なことも沢山あったし、そもそも神の子同士で世界を救うか、滅ぼすかを決めなきゃいけないなんて、そんな残酷なことはないと思っていた。
「ヒカル様、その者の声に耳を傾けてはいけません!」
ヤクモが背後から鋭く言い放つ。
しかし所詮ヤクモもこの世界の住民、ヒカルの気持ちはわからないだろう。
「!?」
「この世界をどうするかは、私が決める。だからヒカル、取り引きしましょう」
「えっ……」
マナミはポケットから小瓶を取り出すと、ヒカルの前に差し出した。
「これは……」
小瓶の中には、いかにも毒々しい紫色の液体が入っている。
「これを飲めば、記憶が元に戻ります」
「!」
それを聞いて、そばにいたアクアが反応する。
「ヒカル、あなたはアクアさんを助けたいんですよね? だったらこの薬を手に入れる代わりに、エメラルドの石を渡してください」
「!」
「悪い話じゃないと思いますよ。エメラルドの石を私に託せば、もうあなたは神の子から解放されるんですから」
マナミからの提案に、ヒカルの気持ちが揺らぐ。
確かにヒカルにとって『神の子』はプレッシャーでしかなかった。この石の力のせいで、嫌なことも沢山あったし、そもそも神の子同士で世界を救うか、滅ぼすかを決めなきゃいけないなんて、そんな残酷なことはないと思っていた。
「ヒカル様、その者の声に耳を傾けてはいけません!」
ヤクモが背後から鋭く言い放つ。
しかし所詮ヤクモもこの世界の住民、ヒカルの気持ちはわからないだろう。
