
ぼっち─選択はあなたに─
第27章 西の森【選択9】
頭の中に魔女の声が響く。
エメラルドの石は渡すな──と。
「……」
魔女が出した答えに、ヒカルは初めてほっとする。ヒカル自身もリュージンが大切に守ってきてくれたエメラルドの石を渡したくないと心の中で思っていたからだ。
「……さない……」
「え?」
「エメラルドの石は……渡さないっ!」
「!」
ヒカルの出した答えに、アクアもロイドも驚く。
「そう──それがあなたの出した答えなんですね」
マナミは動揺せず、笑ったままだった。
「じゃあ、これは渡せないですね。残念でした、アクアさん」
マナミは紫色の液体が入った小瓶を池に投げ捨てた。
「ああっ、そんな……!」
アクアは池の底に沈んでいく小瓶を呆然として見つめる。
「恨むなら私じゃなく、ヒカルを恨んでくださいね」
「……っ……」
ヒカルはマナミを鋭く睨む。
「マナミさんっ……どうしてこんなことをするんですか? 私たちはお互い協力して、人々を助けなければいけないのにっ……」
「──フッ」
ヒカルの訴えに、マナミは鼻で笑った。
「あなた──何か勘違いをしていませんか?」
「えっ……」
「私が救いたいのは、グラドリア王国の人々だけですよ」
「!」
「神の子の役目は──それぞれの国を災いから守ること……つまり、国同士が戦うことになれば、敵国を滅ぼすのが神の子の役目なんですよ」
エメラルドの石は渡すな──と。
「……」
魔女が出した答えに、ヒカルは初めてほっとする。ヒカル自身もリュージンが大切に守ってきてくれたエメラルドの石を渡したくないと心の中で思っていたからだ。
「……さない……」
「え?」
「エメラルドの石は……渡さないっ!」
「!」
ヒカルの出した答えに、アクアもロイドも驚く。
「そう──それがあなたの出した答えなんですね」
マナミは動揺せず、笑ったままだった。
「じゃあ、これは渡せないですね。残念でした、アクアさん」
マナミは紫色の液体が入った小瓶を池に投げ捨てた。
「ああっ、そんな……!」
アクアは池の底に沈んでいく小瓶を呆然として見つめる。
「恨むなら私じゃなく、ヒカルを恨んでくださいね」
「……っ……」
ヒカルはマナミを鋭く睨む。
「マナミさんっ……どうしてこんなことをするんですか? 私たちはお互い協力して、人々を助けなければいけないのにっ……」
「──フッ」
ヒカルの訴えに、マナミは鼻で笑った。
「あなた──何か勘違いをしていませんか?」
「えっ……」
「私が救いたいのは、グラドリア王国の人々だけですよ」
「!」
「神の子の役目は──それぞれの国を災いから守ること……つまり、国同士が戦うことになれば、敵国を滅ぼすのが神の子の役目なんですよ」
