テキストサイズ

ぼっち─選択はあなたに─

第10章 バトルトーナメント前日

「なんですってえ!? 一体どういうことよ、ヒカル!!」

 案の定、宿屋にレイナの怒鳴り声が響いた。
 あれからヒカルはクロードと共にレイナの宿屋に戻り、バットとモンブラン城から逃げてきた老人を呼びだし、ザッハ伯爵とバトルトーナメントで勝負することを説明した。

「どうしてクロードが一人で調査に行かなきゃいけないのよ!」

 バンッとレイナは机を激しく叩く。

「レイナ、ちょっと落ち着けって」

 それをずっと見ていたバットがレイナをなだめようとした。

「落ち着いてなんていられないわよ! 討伐隊がモンブラン城に調査に行って、みんな帰らぬ人となってるのよ!? クロードだって……こんなのわざわざ死ににいくようなものじゃない!」

 そこまで言うとレイナは、クロードの腕にしがみついた。

「クロードっ……お願い。調査に行かないで!」

 レイナは瞳を潤ませて、必死にクロードを止めようとする。

「レイナ、すまない。これは俺が自分で決めたことなんだ。これ以上、犠牲者は出したくない」

 するとそれを黙って聞いていたバットが、壁をダンッと叩いた。

「そんなの、誰も納得しねぇよ! どうしてお前はいつもそう、自分だけで解決しようとするんだよ! 俺じゃ役不足か? 足手まといか!?」
「バット……」

 クロードは首を横に振る。

「バットにはこの町を守ってほしい。……レイナの側にいてやってほしいんだ」

 その言葉を聞き、レイナは下唇を噛んだ。
 自分の愛する人は、自らの手で自分を守ってはくれないのだと──。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ