
ぼっち─選択はあなたに─
第10章 バトルトーナメント前日
「レイナ!」
レイナは無言で踵を返すと、足早に二階へと上がってしまった。ヒカルは後を追おうとしたが「今はそっとしておきなさい」と老人に言われ、大人しく席に戻った。
(どうしよう……私のせいだ。私が余計なことをザッハ伯爵に言ったから……)
バットも納得してない様子で、クロードに背を向けて座っている。
「クロードよ、わしはモンブラン城から命からがら逃げてきたんじゃ。城の中も外もシャドーだらけじゃった。それでもモンブラン城に行くと言うんじゃな?」
クロードは老人の言葉に臆することなく頷く。
その表情に迷いはなかった。
「それならば、これをお主に渡そう」
老人はそう言うと、懐から指輪を取り出した。その指輪には赤い石が埋め込まれている。
「これはっ……」
その指輪を見て、クロードの顔色が変わる。
「この指輪には魔力が宿っておる。わしはこの指輪のおかげでシャドーから身を守ることができたんじゃ」
「この指輪を一体どこでっ……!」
突然声を荒げるクロードを見て、ヒカルとバットは驚いた。
「この指輪は『ナツミ』という少女からもらい受けたものでな、少女はわしに指輪を託すと全身石化してしまったんじゃ」
「!?」
突然のカミングアウトに頭の処理が追い付かない。
(ナツミってあのナツミさんのことだよね!? 全身石化って……一体どういうこと!?)
レイナは無言で踵を返すと、足早に二階へと上がってしまった。ヒカルは後を追おうとしたが「今はそっとしておきなさい」と老人に言われ、大人しく席に戻った。
(どうしよう……私のせいだ。私が余計なことをザッハ伯爵に言ったから……)
バットも納得してない様子で、クロードに背を向けて座っている。
「クロードよ、わしはモンブラン城から命からがら逃げてきたんじゃ。城の中も外もシャドーだらけじゃった。それでもモンブラン城に行くと言うんじゃな?」
クロードは老人の言葉に臆することなく頷く。
その表情に迷いはなかった。
「それならば、これをお主に渡そう」
老人はそう言うと、懐から指輪を取り出した。その指輪には赤い石が埋め込まれている。
「これはっ……」
その指輪を見て、クロードの顔色が変わる。
「この指輪には魔力が宿っておる。わしはこの指輪のおかげでシャドーから身を守ることができたんじゃ」
「この指輪を一体どこでっ……!」
突然声を荒げるクロードを見て、ヒカルとバットは驚いた。
「この指輪は『ナツミ』という少女からもらい受けたものでな、少女はわしに指輪を託すと全身石化してしまったんじゃ」
「!?」
突然のカミングアウトに頭の処理が追い付かない。
(ナツミってあのナツミさんのことだよね!? 全身石化って……一体どういうこと!?)
