
ぼっち─選択はあなたに─
第10章 バトルトーナメント前日
「若い者は血の気が多いの、まあ座りなされ」
立ち尽くすクロードに老人が席に座るよう促す。ため息をひとつ吐くと、クロードは渋々席に戻った。
「クロード……」
「……大丈夫だ。明日のバトルトーナメントまでは、どこにも行かない」
ヒカルの表情を察してクロードはそう答えるが、ヒカルは内心モヤッとした。
『バトルトーナメントまでは』ということは、どんな結果になろうとも、クロードはモンブラン城に行くということだ。
「それに……ヒカルをあいつのメイドにさせたりはしない」
「!」
その言葉を聞いて不覚にもドキッとする。
そんな優しい言葉をかけられたら期待してしまう。
「ごめんね、私のせいでややこしいことになっちゃって……」
「ヒカルのせいじゃない。むしろヒカルは訴えるチャンスを作ってくれた。ザッハ伯爵は人の話に耳を貸さない奴だからな」
「……確かに」
ヒカルはザッハ伯爵のことを思い出して頷いた。
「あっ……もしかしてモンブラン城の内情を知れば、バトルトーナメントで勝負をしなくてもモンブラン城に住むのを諦めてくれるかも!?」
「……だといいんだが」
そう簡単にはいかないだろう。
「ねぇ、ザッハ伯爵はどうしてそこまでモンブラン城にこだわるの? お城の人たちが石化されてしまった理由と関係あるの?」
ヒカルがそう問うと、クロードの目が大きく開かれた。
「恐らく、モンブラン城には何か秘密があるんじゃろう。それをザッハ伯爵は知っている──」
クロードも老人と同じ事を思ったようで、深く頷いた。
立ち尽くすクロードに老人が席に座るよう促す。ため息をひとつ吐くと、クロードは渋々席に戻った。
「クロード……」
「……大丈夫だ。明日のバトルトーナメントまでは、どこにも行かない」
ヒカルの表情を察してクロードはそう答えるが、ヒカルは内心モヤッとした。
『バトルトーナメントまでは』ということは、どんな結果になろうとも、クロードはモンブラン城に行くということだ。
「それに……ヒカルをあいつのメイドにさせたりはしない」
「!」
その言葉を聞いて不覚にもドキッとする。
そんな優しい言葉をかけられたら期待してしまう。
「ごめんね、私のせいでややこしいことになっちゃって……」
「ヒカルのせいじゃない。むしろヒカルは訴えるチャンスを作ってくれた。ザッハ伯爵は人の話に耳を貸さない奴だからな」
「……確かに」
ヒカルはザッハ伯爵のことを思い出して頷いた。
「あっ……もしかしてモンブラン城の内情を知れば、バトルトーナメントで勝負をしなくてもモンブラン城に住むのを諦めてくれるかも!?」
「……だといいんだが」
そう簡単にはいかないだろう。
「ねぇ、ザッハ伯爵はどうしてそこまでモンブラン城にこだわるの? お城の人たちが石化されてしまった理由と関係あるの?」
ヒカルがそう問うと、クロードの目が大きく開かれた。
「恐らく、モンブラン城には何か秘密があるんじゃろう。それをザッハ伯爵は知っている──」
クロードも老人と同じ事を思ったようで、深く頷いた。
