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私の意地悪執事様

第9章 後悔…

それから二週間なんてあっという間だった。 脱け殻のように毎日を過ごしていた。

拓海さんがいなくなってしまった悲しみはまだ癒えなかった。

「お嬢様、そろそろお支度なさった方がよろしいかと」

あ、そうか。 お見合い今日だっけ?

ノロノロと支度を整える。もう拓海さんが着せてくれることは無いんだよね…

赤いドレスを着て、ピンクの口紅を塗って、鏡を見た。

「この姿、拓海さんが褒めてくれたら良いのに…」

これから男性に会うというのに、他の人のことばかり考えている。

「では、出かけましょう」

メイド一人に付き添ってもらい、私は待ち合わせ場所に向かった。

「あ、あの方ではないですか?」

メイドが指さした方向を見ると、オシャレに整えた服装の男性が立っていた。

「お待たせ致しました」

お辞儀をして頭を上げた。

!?

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