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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第7章 生まれた狼

でも
子供ながらに疲れていたんだ

あのまま
施設で暮らしていれば
もっと子供らしく
生きていけたかもしれない

なぜ
僕を引き取った?
なぜ
僕なんだ?
なぜ
僕には父さんも母さんもいないんだ

言いようのない
孤独と絶望で一歩も動けなくなって

気づいたら
車道の真ん中だった

全てを諦めたみたいに
力が抜けて
ゆっくり
目を閉じた...

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