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アンクレットの秘密

第1章 アンクレットの秘密

 私は智絵里の足元に膝をついた。眼の前に彼女のキレイな脚がある。レースの濃い紫のタンガタイプのパンツ姿に胸が高鳴る。足元から彼女を見上げた。
 
「智絵里、カッコイイ」
 
 と言うと、私は彼女の脚の付け根に小さなキスをした。彼女の喉がウッと鳴いて、ピクリと小さく震えた。
 
 彼女は不思議そうな表情をしたあと、顔いっぱいの笑顔を見せてくれた。

 パンストを彼女の足元から抜き取った。
 
「あっ……、智絵里、タトゥーが……」
 
 スラリと細い左の足首に繊細なタトゥーのアンクレットがあった。アンクレットのタトゥーは意味がある、とネットで調べたことがあった。
 
「ああ、ノリでね。タトゥー、会社にバレるとヤバそうだからさ。ファンデかパンストでね」と智絵里が明るく言ったあと、「ゴメンね。ミキちゃんに言いそびれちゃって……」
 
 確か左足首のアンクレットのタトゥーは「一途な気持ち」だ。
 
 やっぱ、智絵里は自分の他に好きな人がいる、と考えると悲しくて涙が溢れた。


おわり
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