テキストサイズ

放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第7章 初夏とカップケーキ



「体調大丈夫?」

「う、うん。もう治ったから」


体育の授業がおわったあと、更衣室で鉢合わせになったミナとサラに心配されちゃった……。


体操着から制服姿になる間に何か見抜かれそうで、大急ぎで着替えた。




サボるのはこれで二回目になる。


根が真面目なあたしは、あとからくる罪悪感のような後ろめたい気持ちを抱えながら教室に入ったんだけど。

一方澄くんといえば、もうすでに自分の席で寝ていた。


いつものことながらマイペースだし、寝顔が可愛い……。


長い睫毛が影を落とすなだらかな頬。


あたしはまた、いつの間にか見惚れてしまっていたらしい。


「色葉、誰のこと見てるのぉ?」


ミナがあたしの視線を追って、ドキッとした。


「また小笠原くん見てる……! 最近色葉ってよく小笠原くんのこと見てない!?」


声大きいってば!
あ、でもよかった……騒がしい教室だからだれにも聞こえてはいなそう。


あたしはため息混じりに返す。


「見てないよ……。その奥の時間割表を見てたの……」


「なんだぁー。でもあの無気力王子かっこいいよねぇ」


あたしとサラはきっと脳裏に東くんの存在が浮かんだけど、あえて言わなかった。


「まぁ、東っちが一番だけど♡」


そう言ってくれると思ってたから。

ミナは東くんが大好きだもん。


「そういえば無気力王子ってさ……」


サラが何か思い出したかのようにそう言ってから、口をあけたまま言葉を止めた。


「「なに?」」



途中で話を止められたらすごく気になるよ……!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ