テキストサイズ

大きな桜の木の下で

第7章 初めて

ん〜〜〜〜〜っ?

ふわふわ?ぷかぷか?

暖かい海の中にいる感覚……

次第に意識が浮上してくる……気持ちいい…

(このまま何時までもいたいな〜)

「翔子?気が付いた?」

ビクッ!

不意に耳元で囁かれた…

「あっ…お風呂…」

後ろから抱きかかえられてる…

「意識飛ばすほど良かった?」

「なっ?…さとし君の…ばか…」

「ばか…いちいち反応が可愛すぎだよ」

「…ずるい…」

「んっ?なんでよ?」

「だって…
最初はふにゃふにゃしてて優しかったのに…
急に男らしくなるんだもん………」

「なんだそれ?だったら…
翔子はずっと可愛すぎてずるいだろ」

「それに…
さとし君ばっかり余裕であるんだもん…」

「余裕なんてねぇよ」

「…うそつき…」

「嘘じゃねぇよ。ほら」

耳をさとし君の胸に当てられる

すごいドキドキしてる…

良かった…私だけじゃなかったんだ…

「ねっ!嘘じゃないだろ」

「…うん…」

「そろそろ出ようか…」

「…もう少し…このままでいたい…」

「俺も…だけど…この体制そろそろやばい」

「あっ…ごめん…重いよね?」

「違う…またしたくなっちゃう…」

「………」

戸惑って黙っちゃった…

「このまましていい?」

ずるい…

耳元でそんな風に甘い声で言われたら…

無意識のうちに首を縦に振っていた。

さとし君とお風呂の温もりで

私は飲み込まれる様に意識を飛ばした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ