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ブラコンですが、なにか?

第4章 Cute little brother Kazunari①

風呂から上がり、タオルで髪を拭きながらリビングへ。

「おはよ、智にぃ」

ズズっと味噌汁を啜っている翔は、すでにスーツに着替えている。

「今日、早いな」

「会議の資料チェックしたいから、早めに出るんだ」

「そっか」

「それより……朝から何してんの」

ジト目で俺を見つめる翔は、和也がリビングに戻ってきた様子を見て、部屋で何をしていたのが察したんだろう。

「だだのおはようの挨拶だけど?」

「ホント朝からあんな可愛い和也見ると、出勤したくなくなるよ」

「はははっ、そうだな」

項垂れる翔は心底、仕事に行きたくないらしい。

「俺だって、智にぃみたいに起こしてもらいたい」

「それなら部屋を片付けろ」

俺の指摘にぐうの音も出ない翔。


俺より頭も良くて何でも卒なくこなす翔だが、唯一苦手なの部屋の片付け。

モノに溢れ足の踏み場がないから、和也もドアを開けて起こすしか方法がない。

「ホント、毎週片付けに付き合わされる身にもなってよね」

腹をポリポリかきながら、リビングに来たのは雅紀。

「おい、そんなこと言っていいのか?レポート、助けてやんねーぞ」

「別にいいし。どっちかといえば、翔にぃの方が困るんじゃないの?」

「はい、どーぞ」

「サンキュ」

腰に手を当てて、ゴクゴクと和也が注いでくれた牛乳を飲む雅紀。


雅紀はまだ大きくなるつもりなのか?


「片付けないと部屋、掃除しないからね」

「ほーら、どうするの翔にぃ」

薄ら笑いを浮かべながら翔にぃを見る雅紀。

「あー!もう、わかったよ!」

翔は食べ終わった食器をシンクに置くと、そそくさと玄関へ向かう。

「あっ、翔にぃ!お弁当、忘れてる」

バタバタとお弁当を持って玄関へ走っていく和也。


まぁ、ご機嫌斜めの翔だけど……

玄関を出る頃には治ってる、いや……


「いってきまーす!」

寧ろ、ご機嫌だな。


「じゅ…潤、起こしてくる」

真っ赤な顔して戻ってきた和也のお陰でな。

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