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ブラコンですが、なにか?

第6章 Cute little brother Kazunari③

「潤……告白されてた」

ポツリポツリと話し始める和也の声に耳を傾けた。

「モテるのは知ってたけど……それを目の当たりにしたのは初めてで……」


確かに潤はモテる。

俺が高校生の時にも、部活帰りに潤が告白される場面を何度か見た。


まぁ……バッサリ振ってたけどね。


でもそれは潤なりの相手への優しさ。

今返事しようと、後日返事しようと答えは同じ。


だったら、後日の返事で期待なんてさせない方がいい。


「ショックだった?」

「わかん…ない。なんでこんな気持ちになってるのか……わかんない」


きっと不安なんだろう。

もしかしたら自分はいつかって……


女じゃない。

兄弟だから。


自分が否定される要素はあるからな。


「不安なら、うーんと甘えたらいいよ」

「…えっ?」

「いーっぱい、大好きだって教えてあげる」

俺は椅子から立ち上がると、大きく手を広げて見せる。

「おいで?」

俺を見る和也の瞳が迷いで揺れる。


和也ってあんまり自分から甘えないからな。

まぁ、甘える隙がないくらい俺らが和也にベッタリってのもあるけどね。


「ほーら、早く早く」

結局待ちきれなかった俺は和也の手を掴んで、引っ張り上げるとギューッと抱きしめた。

「痛い…ってば」

口ではそう言ってるけど、声色は少しだけ元気になってる。

「和也、好きだよ。だーい好き」

俺の言葉に和也は頭をコテっと肩に預け、腰に手を回してギュッとしてきた。

「なーんも心配しなくていいからね」

耳元で囁き、チュッとキスを落とすとプルっと震えた。

「ふふっ、感じちゃった?」

腰に回していた手を移動させて、お尻を撫でる。

「やっ、止めてよね!」

ペチンと俺の手を叩き、俺から逃げる様に椅子に座ると残っていたピザを頬張る。


顔を真っ赤にしながら頬張って……可愛いなぁ。


「お先~」

いつも長風呂の潤が今日は早い。


和也の様子が気になるんだろうな。


和也には劣るけど……可愛いヤツだな。


大丈夫と伝える様にウィンクしてみせた。

「雅紀にぃ」

「ん?」


いいぞ、俺の事……褒めていいんだそ?


「ウィンク……出来てねぇーから」

「うっせー!」


可愛いのやっぱり、和也だけだ。

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