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❇️片暉の残照❇️

第9章 城下町と嫉妬の炎


「しかし、表で……何かあったのかしら?」


私もリンデル所長とシュン様のあとに続き入り口まで来ると、ジルベルト様の隣に寄り添う赤毛の女性がなにやら小言を言っていた。


「ジルベルト様――――ここは…平民が多い…植物研究所ではありませんか。

ジルベルト様のような高貴な方が足を向ける場所ではございませんわ。

それに――――なんだか…草臭くなくて?私……こう言う場所は好きじゃありませんわ」


「なら、帰ればいいだろう――――…ここに来ると宣告しておったはずだが?無理やり付いてきたのはお前だろ?」


――――あっ、やっぱり…


植物園で会った…銀髪の男性だ!


私は、入り口まで来て後ずさってしまう。


やっぱり…怖い――――…。


それに、あの赤毛の女性…私を扇子で何度も叩いた人だ!


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