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❇️片暉の残照❇️

第9章 城下町と嫉妬の炎


「そ、そんな――――…私と殿下の仲ではございませんか///一人で返すなんて…いたしませんわよね?」


猫なで声で駄々をこねる彼女は、出迎えたリンデル所長やシュン様などに見向きもしない。


そんな彼女を煙たがっているのか、サンドラ様は彼女を腕から引き剥がそうとする。


「俺と――――お前の仲?赤の他人だろ?縁談は流れたのだ――――これ以上しつこくするならば…コレジバ公爵との縁も考え直さんといかなくなる!」


「そ、そんな――――私は…まだ///婚約者の一人だとお父様から聞いております!」


「この間の――――お茶会でハッキリと断っただろ?」


「この、赤毛でございますか?///私の赤毛は…レッドゴールドと呼ばれる高貴な赤毛でございます!瞳は両方とも金色食のブラウンで…///王族であるサンドラ様の許嫁には申し分ない条件は揃っております!」



サンドラ様は大きくため息をつくと――――彼女を睨み付け「うざい!」と腕を振り払った!


これ以上邪魔されたくなかったのか…キンキン声を聞きたくなかったのか、彼女を拒絶し1人足早に研究所に入った。


「あっ、――――え?」


しかし、扉の近くにいた私と鉢合わせし…おろおろする私を見下ろす!


「お前――――…あの時の…やっぱりここの職員だったか…」


そう言うと、サンドラ様は所長とシュン様に振り向く。


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