❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
取り押さえた男は、動揺しているテイスに――――心ないことを叫んだ!
サンドラは男を殴り付けると、従者に男を拘束させ――――テイスの元へと駆け寄る!
と、髪の毛を切られ…しかも…ナイフが後ろ肩の服も切りつけたのか破けているのが見えた!
「お前――――大丈…夫!」
声をかける間もなく――――テイスは真っ青になり…崩れ倒れた!
「テイス様――――!テイス様!?」
近くにいたニコルに支えられる形となったテイスは、路上に体を打ち付けずにすんだが――――…気を失ったようだった。
「お前たち――――!馬車を!それと、王宮医師に連絡を!戻ったらすぐに見せる支度を整えろ!」
サンドラの言葉に従者達がバタバタと動き出す!
すでに取り押さえられ――――縄で拘束されている男は無抵抗でうつ向いたまま。