❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
窓辺に映る自分の姿に涙に私は自然と涙が溢れた。
お母さん――――…
お母さん――――…お母さん…
私はすがるものがなく…その場に踞る。
と――――…部屋の扉が少し開く!?
――――もう…
捨てられた身だ…
何処へでも……連れていって――――ください。
「テイス――――…大丈夫かい?」
私は扉の方を踞り抱える腕の隙間からみた。
「――――――――商人…さん?」
そこには、ハジロ邸の庭で見かけた…黄金の髪と瞳を持つ…商人の彼だった。
「テイス――――どうしたの?窓辺で踞って…何かあったのか?」
彼は私がベッドから出たことに驚き近く。
「――――どうして…貴方が?ここ…どこ?」
「ここ――――ああ…気絶していたからね…ここは…私の家――――と、言ったらいいのかな?」
「商人さんの…家?……キロやニコル――――は…?」
城下町で倒れたのなら…彼の家に来てもおかしくない……けど、いつもそばを離れないキロとニコルが見当たらない……。
――――ハジロ邸に帰ったの…ね…。