❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
時…同じくして――――――――…
王宮地下にある牢獄では、テイスを襲った賊が拘束されながら王宮警備隊に尋問を受けていた。
「で――――…その男が…そう言ったんだな?」
「ああ――――“平民女の髪を切り落とせ、王族を偽物の黄金色髪で誘惑する不届きものだ!”って―――― 前金をたんまりくれたから…怪しいとは思っていたんだ!」
警備隊が男が手にしていたナイフと巾着を目の前にため息をつく。
「で――――、このナイフと金の入った巾着を渡されたんだな?」
男はうなずくと――――「くそっ!」と、悔しそうに顔を伏せた。
切れ味のいいナイフを…城下町の路地裏を縄張りとしているゴロつきが持っている訳もなく――――…ましてや…巾着には男が言うように金貨が5枚…銀貨が20枚入っていた。
「その――――…お前に依頼してきた男はどんなヤツだ?顔見知りか?」
「――――知らない男だ…、身なりは良かった……フードを深く被っていたらから…顔はハッキリと見てねぇ…金の入った金貨に目が行っていたから…」
男は相当金に困ったいたのか受け取れる前金にテンションが上がったいたらしい。
「あ――――でも、手元はハッキリと見た。
右手の手首にホクロがあった。白い手袋かからチラッと見えただけだけど…巾着を受けとる時だ」
男は手元の金しか興味はなかったらしいが、チラッと見えたホクロには視線が行ったと言う。
「――――手首に…ホクロ…嘘じゃないだろうなぁ!」
「嘘じゃねぇよ!――――つ~か、あの少女…平民じゃねぇ~のかよ…従者もメイドもいたじゃんか!」
「貴族のご令嬢だ――――…なんで、平民だと思ったんだ?」
男は金を受け取った男が言っていたことを思い出しながら…喋り出す。