テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第12章 お茶会と緊張の挨拶


と、部屋をノックする音が聞こえ――――そっと入ってくる執事のポルギの姿が見えた。


「――――テイス様にドレスを届けて参りました」


「ありがとう、ポルギ――――…急がせて作らせてしまったが、テイス嬢は気に入ってくれたかな?」


忙しくてドレスの出来を見れなかったレンティスだったが、事前に用意したメッセージカードを添えて届けてくれたポルギに彼女の様子を伺う。


「とても喜んでいらっしゃいました。

レンティス様がリクエストした薄緑の裾は――――…素晴らしい色合いでグラデーション豊かに広がっておりました」


「そうか――――…あの瞳の色は印象的だったからね」


寝酒を口にしたレンティスは嬉しそうに“ティアラ”の薄ピンクが根本にかかって薄緑になっている様を――――グラスで揺らぐ花びらで確認する。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ