❇️片暉の残照❇️
第12章 お茶会と緊張の挨拶
中盤になると各々席を立ち――――知り合いを見つけては談笑する感じとなった。
私はその時間を使ってメインテーブル付近にいるロミ様やコーテル様に挨拶しようと席をたった。
「本日はお茶会にお招き頂きありがとうございます」
私はぎこちないながらも令嬢らしく挨拶をする。
「テイス――――、何処にいたんだい?挨拶の時に見当たらなかったから不安になったよ?」
ロミ様が私を探していたと知り「奥のテーブルにおりました」と、言うと「遠いじゃないか」と、少しすねて見せた。
可愛らしい仕草に私は「へへへ」と、笑うと――――隣にいたコーテル様が私とロミ様の間に割って入ってきた!
「――――そなた…名は?」
私より少し背の高いコーテル様から見下ろされ「テイス・ハジロと申します」と、一歩引いて挨拶をすると、コーテル様は満足げに「そうか」と、更に私をまじまじと見る。