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❇️片暉の残照❇️

第12章 お茶会と緊張の挨拶


「あっ、そうだ――――忘れないうちに…お兄様に渡したいものがありました!」


私は巾着から紳士用の手袋を取り出した!


「///倒れたときに…心配をかけたお詫びです!

お兄様――――公務の時やロミ様と一緒の時に白い手袋をしているのを見かけますので……その手袋にイニシャルを刺繍いたしました!良ければつかってください!」


手首の所にお兄様の瞳の色に似た薄焦げ茶の糸で刺繍を見せた。


「///えっ!?――――テイス…///これを?いつ縫っていたんだい?ダンスの練習とか…薬草の勉強とかしていたじゃないか!」


ダンスの連絡はともかく…薬草の勉強をしていると…よく知っていたなぁ…


「寝る前にチクチクとやっておりました!」


お兄様は嬉しそうに手袋を見ると、私に満面の笑みを飛ばしてくれた。


――――多分…周りのご令嬢が倒れるレベルの笑顔だと私は思う!


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