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❇️片暉の残照❇️

第12章 お茶会と緊張の挨拶


その後、お兄様と一緒に茶菓子を選んでいると、ザワザワと入り口付近が騒がしくなる。


「――――?」

「サンドラ様だ…今頃来るとは、相変わらず自由な人だな」


確かに…俺様的な自由な感じの人ではあるけど…


サンドラ様は堂々と入場すると、会場を見渡し――――「あっ」と、私たちに気がつく。


「?」

と、一応頭を下げると――――…サンドラ様はこちらに歩いてくる!



「お前も参加すると聞いたから――――来てみたが…なんだ?この甘い香りは」


甘い香りに眉をしかめるサンドラ様だが…私たちは茶菓子の前にいたのだ…するに決まっている。


「ごきげんよう、サンドラ様――――…」


「どうも――――サンドラ様…。ロミ様はメインテーブルでございますが?」


メルトお兄様は近づくサンドラ様と私の間にスッと入るとメインテーブルに誘導しようと手を伸ばす。


「あ――――?あぁ…は?コーテルも参加してるのか?マジかよ……」


お兄様の手の指す方に視線を向けたサンドラ様は、ロミ様の隣にいるコーテル様に疲れた表情を見せる。


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