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❇️片暉の残照❇️

第12章 お茶会と緊張の挨拶


「そ、そんなの――――…お、面白い冗談だと皆様笑っておりました。

わたくしも王位継承者の妻になるのです――――…そのような冗談笑って流せるほどの技量は持っております。

さぁ、ロミ様への挨拶はまだかとお見受けいたします――――わたくしと参りましょう」



気を取り直しスッと背筋を伸ばしたインギル様は派手なドレスをグッと持ち上げサンドラ様と腕を組もうと隣に並び腕を出した。


が――――、サンドラ様は手をサッと避ける。



「――――サンドラ様?」


何が起こったか分からないインギル様はサンドラ様を見上げる。



「挨拶には行くが――――お前とじゃない…先客があってな」


「は?」



そう言うと、サンドラ様はお兄様の後ろに隠れていた私の腕を掴むと強引に腕を組ませた!



「サ、サンドラ様!?」


不意をつかれたお兄様が慌てて私を助けようとするが、サンドラ様と腕を組んでいる状態は軽く引き離せない!?


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