テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第12章 お茶会と緊張の挨拶


流石に悲鳴が大きくなることを恐れた従者がインギル嬢を止める。


ずぶ濡れで痛々しく床に縮こまるメイドの姿にインギル嬢もやっとスッキリしたのか――――…ボロボロになった扇子をだめ押しでメイドに向かって投げつけると、ソファに乱暴に座った!


「水――――水をちょうだい!」


紅茶を持ってきたメイドを睨むとインギル嬢はふんぞり返り自慢のレッドゴールドの髪をかきあげた。


「なんて――――ことなのよ!
あの…研究員が公爵令嬢って!は?じゃぁ……私は――――…公爵令嬢を殴り――――あげくの果てには…髪を…」


徐々に冷静になってきたのか…インギル嬢は自分がテイスにしてきた事を考え…顔が青ざめていく。


しかし、サンドラ様の興味がテイスに向かっている事が――――許せないのか…


インギル嬢は苛立ちを隠せなかった!


しかも、公爵令嬢で短いとは言え黄金色の髪の持ち主であるテイスが――――王色推進派のサンドラ様の父上ジルベルト様が見たら!


「欲しがるに…決まっているじゃない!」



そう、考えると――――公爵令嬢に暴力と黄金色髪に対する…切りつけの首謀者として立場が悪い――――!



インギル嬢は自分のしでかしたことに…今のところ何も罰が下っていないことに震える!



ストーリーメニュー

TOPTOPへ