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❇️片暉の残照❇️

第12章 お茶会と緊張の挨拶



インギル嬢は苛立ち足を何度も組み換え――――…冷や汗を流す。


赤い髪で生まれたことで――――瞳が黄金色に近い茶色でも…

“王族に嫁ぐことは出来ないだろう”…と、一族はもちろん…父親からも言われてきた!


しかし――――、前王弟時代に持ち上がった“王色撤廃論”に賛同した大臣や前々王の息子たちによる推薦や後押しもあり――――何故か、王位継承者第2位のサンドラ様の許嫁候補リストに名前を乗せることとなる。


父親に認められるチャンスがやっと来たとインギル嬢は生きる希望を見いだした。



「このまはま…引き下がる訳には…行かないのよ!

お父様から頂いたチャンスを逃したくない…たとえ赤毛でも――――王位継承第2位のサンドラ様の妻となれば……

お父様の期待に答えてることが出来る!」


しかし、一族の願いとしては…第1位のロミ様の許嫁になれれば言うことはなかった。


だが、あそこまで完璧な黄金色の髪と瞳のロミ様には厳選された許嫁候補が用意されている――――…。

やはり、それなりの地位の令嬢とでないといけないらしく…そもそも、インギル嬢は候補のリストにさえ入れてはもらえなかった。


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