テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第5章 お茶会と宝物


「フフフ///人は食べないと生きていけないからね――――…私は食べれるだけ食べれる身体を天から授かったけど…テイスちゃんは、意欲も知識もあるのに、食べられないなんて///不憫だわ!」


私の痩せた身体を心配そうに触るキャサリン様にお母様が、「もう、キャサリンってら!ミーナもなんか言ってちょうだい!」と、隣で静かに笑うミーナ・フロイザ侯爵婦人に助け船を求める。


いつも三人でお茶をしていると言っていたが楽しそうなやり取りに、初めてのお茶会がこの方々で良かったとホッとする。


「テイスちゃん、貴方は来年――――社交界では注目の的よ?ローズ公爵の長女としてデビューするとなると…繋がりを持ちたがる貴族たちが貴女を取り合う――――もしくは…蹴落としにかかるはずよ!」


「え?――――でも、私は…見た目が…」


私はベールで左目を隠すとうつむく。


「そうね――――…左目に傷があると聞きましたわ…眼帯で隠すほどなの?見えないとか…潰れているとかなの?王都の医師では治せないの?」


ミーナ様は私の左目の傷がどのくらい深いのか気にかけてくださっているみたいたが…


私は――――答えることができなかった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ