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❇️片暉の残照❇️

第5章 お茶会と宝物


「あ、ありがとうございます…///私は、アイディアを出しただけです。後は、厨房の皆さんの努力でございます」


「///フフフ謙虚ですこと――――。

でも、テイスちゃん、使用人をやたら人前で誉めてはダメよ――――…。

特に、位の高いだけの狸たちの前では!

使用人を差別的な目で見ていたり、無価値だと思っているやからもいるから“軟弱者”とか“上に立つものの自覚がなとい”とか言ってあげあし取りの材料にする貴族もいるのよ。それに、王族の中にもその考えの方々は少ないないはず。発言は気をつけて?」


小声でキャサリンさんは私に忠告をする。


「そうね――――…こうやった私たちがお茶会を開けるのも…優秀な使用人たちのおかけだけど……それに、気がつかない貴族も沢山いるのは確かよ?」


お母様も不安そうな顔をする私を見つめため息をつく。


「私どもの領地はその狸領に面しているから――――…本当に大変なのよ…。今年も領地移動してくる平民に頭を抱えているのよ?平民が少なくなった困るのは……って、テイスちゃんに言っても分からないわよね!私ったらごめんなさいね」


「///いえ、キャサリン様は…ミュントロン公爵様の奥様でいらっしゃいましたよね?農業の母とも言われていると聞きます」


ふくよかなキャサリン様はハジロ領地の東側に面しているから山脈の向こう側の領土を納めているミュントロン公爵の奥様である。


農業の盛んなミュントロン領地は公爵婦人自ら畑の肥料開発に携わる民と共に成長した貴族である。




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