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雷鳴の夜

第10章 突然

病院に着いた時にはもう二人共虫の息

やっとブランケットから顔を出した翔に手を握らせる

父親がごめん…ありがとう…

小さな声で呟き息をひきとる

暫くしないうちに母親の目が開き涙が溢れ落ちた

「翔…幸せに…まーお願い」

俺に目を向け囁く

俺はただ泣きながら頷くだけ

翔は泣きもせずに呆然と手を握るだけ

そのうち目が閉じ息をひきとった

「翔?大丈夫か?」

大丈夫なわけ無いだろうにそんな言葉しか出ない

俺の顔を見た翔は

不思議そうに首を傾げたと思ったら気を失った

倒れそうになったところを

慌てて支え長椅子に横たえた

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