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雷鳴の夜

第13章 衝動的

骨壷を前に位牌を二つ手に持ち

何を考えてるかわからない無表情の翔に声をかける

操り人形のように言われた事に従う様についてくる

「翔?お父さんとお母さんはもういないんだ
だからこの中の人誰かと
これから一緒に暮らす事になる
嫌なら翔みたいな子達がいる施設でもいいんだ
翔が選んでくれないか?」

できるだけわかりやすい様に言葉を選ぶ

ぐるりと周りを見回し俺の手をギュッと握る

「俺で良いのか?」

無表情だが不安気に瞳が揺れる

離しそうになった手をギュッと握り返す

「俺は翔と暮らしたい
正直子育てなんてわからない事だらけだ
それでも良いか?」

コクンと頷くのを確認し櫻井家の了承も得た

「翔これからよろしくな」

またコクンと頷く手を離さないように強く握った

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