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僕らのStoryline

第9章 見つめる


「なぁ、めめ」

「ん?」

楽屋に二人きり。
めめはスマホを見つめてて俺はカメラをいじってる。
カメラの中はこの間の新曲のPVの時に撮ったやつがたくさんあって。
その中の一枚。

「めめ、“イーアルサンスー”ってどういう意味なん?」

「ん?」

「E? R?算数?」

「何?何の話?」

「ふっかさんが歌うやん」

「ふっかさん?」

めめは俺を見てカメラを見た。
俺はカメラの画像を見せてあげる。
そこにはふっかさんが写っててピースしてる。

「またふっかさん撮ったの?」

「またって…いつも通りや」

手を出してくるからカメラを渡す。
そして、俺はめめの隣に移動した。
カメラの履歴を見ようとしてるが多分どのボタンを押すのかわかんないだと思う。

「ここ押すんよ」

ピ、ピ、ピと音が続いていく。

「しょっぴー、阿部ちゃん、佐久間くん…」

「ん?」

メンバーの名前を読み上げていくめめ。

「俺は?」

「は?」

「俺いない」

「そんなん、めめが写らんかっただけや」

「…」

「俺がカメラ向けてもこっち見ぃひんから」

「…」

確かにめめはあまり写ってない。
だって、カメラ向けても視線を必ず逸らされる。

「ほれ、めめや」

俺がめめを隠し撮りしたやつを見せる。
ラウとじゃれあってるところ。楽しそうに笑ってる。

「いつ?こんなことしてた?」

「大体ラウとおるで。いっつも。それかしょっぴーやね」

「そうかな?」

「何の話をしてるかまではわからんけど楽しそうやからこんな顔してるめめを残しておきたいなって思ってシャッター切っちゃうんよね」

「よく見てるね」

「そんなん、だって!!!」

と、ここまで言ってめめと目が合う。
これ以上は言えない。


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