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厨房の外に出ると、私達は飛び込んで来た光景に悲鳴を上げた。


「キャアァ！」
「な、何！？」


そこには白目を剥いて泡を吹いてる人が多数いた。
中には血を流している人もいる。
カウンターにも乗り上げてる人もおり、私は異様な光景に目を見開いた。


(一体何が……！？)


状況が分からない。
なぜ、こんなことになっているのか？


「一体、何が……！？」


禰豆子ちゃんが驚きの声を上げる。


だがすぐに、この光景がどうなってできたのかは分かった。


ダンッ！


何かを踏みつけたような音がボックス席から聞こえてきた。

「え……？」


私は背伸びをしながら、カウンター側から音がした方を覗こうとする。
この場所からボックス席はあいにくだが見えない。
大きなついたてが邪魔で見えなくなっている。
私は禰豆子ちゃんを後ろに回しながら、ボックス席がある方へと歩いていった。
ゆっくりゆっくりと、相手に警戒されないように忍び足で歩く。
もし、強盗だったら色々厄介だ。
私は大きな柱に隠れながら、ボックス席の様子を伺った。


ダンッ！ ダンッ！


ボックス席では長身の男が何かを踏みつけている。
何かはここからでは見えない。
もっと近づいたら見えるだろうが、近づくと気づかれそうでできない。
私は禰豆子ちゃんの方に振り向くと「こっちにおいで」と小声で合図をした。
ゆっくりと、禰豆子ちゃんがこちらに近づいてくる。


禰豆子ちゃんと私は柱に隠れると、ボックス席側の様子を伺う。


だが……


「そこに誰か居んだろ？」


踏みつけていた音が止んだと同時に、男が低い声で問いかけてきた。