エッチな女子達の事情
第3章 結城杏里
「大丈夫だ。杏里。もし、2人の関係が他の先生達にバレたら学校をやめて一緒に暮らそう」
「え……?」
思いがけない杏寿郎さんの言葉に、私は目を見開いた。
うそ、そんなに私の事考えてくれてるなんて……
嬉しい……
私は杏寿郎さんのシャツを小さく掴んだ。
嬉しいありがとうの意を込めて。
杏寿郎さんは私の気持ちに気づいたのか、握っていた手に手を重ねてくれた。
温かくて大きな手……
この手は何があっても離さない。
私はそう胸に誓うと、杏寿郎さんの手を強く握りしめた。
キーンコーンカーコーンと授業の終わりを告げるチャイムがなる。
「ありがとね。杏寿郎さん」
私は歴史の教科書を手に持つと、杏寿郎さんに手を振り視聴覚室を出た。
杏寿郎さんと暮らせる日々を夢見て私は廊下を走り出した。