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全員がブチ切れ、暴言を吐く中、女将さんはファイルから紙切れを取り出すと、涼し気な顔で読み上げた。


「今回のツアー参加者、煉獄杏寿郎さん、結城杏里さん、江川達也さん、保志恵美さん、菜月スバルさん、エミリアさん。栗花落(つゆり)チョコさん、西園寺禰豆子(ねずこ)さん、小畑しのぶさん、加賀美麗さん、滝沢シンジさん、井崎桃花さん。以上の6名のカップルです」


女将さんは参加者全ての名前を読み上げると、ファイルを閉じた。

いや、一人キラキラネームいたよね？
チョコってあれ本名？ いや、本名だったら可哀想だな……親がチョコ好きでつけられとかだったら不幸だよ……


そんな事を頭で考えていると、再び女将さんが話し始めた。


「現時点ではあなた達に宿はありません。働くもの食うべからずです。そこで、あなた達には今から少し離れたラーメン屋を開店させ、客を呼び込んでください。もっとも働いたカップルには当旅館の高級部屋で泊まれます。最下位は藁で寝てもらいます」

「ふざけんなぁぁああ！！」


観衆達が怒鳴り声を上げた。大地を揺さんばかりの怒声に目眩がする。