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エッチな女子達の事情

第4章 エッチな女子達の旅行①


ヤバイ……目眩が……


「っと……大丈夫か? 杏里」


ふらついた私に、杏寿郎さんがすかさず抱きとめてくれた。
力強い腕に、ドキンと胸が高鳴る。


あ……杏寿郎さんに抱きしめられてる……


少し向こうからは、加賀美先輩が恨めしそうに私達を睨みつけていた。


「やはり、帰るか? 杏里が辛そうだ」

「え……い、いや、だ、大丈夫……」


杏寿郎さんが心配そうに顔を覗き込み、問いかけてきた。
私は杏寿郎さんに心配をかけないように「うんうん大丈夫。みんなの怒号がすごくて目眩がしただけ」と取り繕った。


目眩がしたのはみんなの怒号なのだから。でも、怒るのは仕方ないからな。
こんな、騙された形で集められたのだから。


「あーやってられね! 帰るぞ禰豆子」


隣にいた男の子が痺れを切らしたのか、女の子の手を掴み、 門へと引っ張ってゆく。


「あ、ち、ちょっと待って、ち、チョコ……!」


引きずられる形で、女の子が走り出す。
私はその様子を哀れんだ目で眺めていた。


彼氏、強引なんだな……




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