エッチな女子達の事情
第4章 エッチな女子達の旅行①
「私、チョコと離れ離れになってしまった……」
禰豆子ちゃんは酷く落ち込んでいた。
そりゃそうだよね。全く知らない人物と協力しなきゃいけないんだから。
抱き合いながら泣いてるカップルもいる。
私が杏寿郎さんと離れた事に落ち込んでいると、杏寿郎さんが来てくれた。
「杏里、すまないな。離れてしまって」
杏寿郎さんの大きな手が、私の頭を優しく撫でる。
あたたかい……
「杏寿郎さん。謝らないで。私なら平気だから」
「そんな事言って、本当は辛いだろ?」
「っ……!」
図星を突かれ、危うく涙が零れ落ちそうになった。
なんとか目元に力を入れ、涙が溢れるのを堪えた。
「杏寿郎さんこそ、全く知らない人との協力は辛いでしょ?」
私が問い返すと、杏寿郎さんは難しそうな顔で腕を組んだ。
「そうだな……」
「ん……」
ここで離れてしまうと、杏寿郎さんとは夜まで会えない。
「杏里……」
「杏寿郎さん……!」
私は杏寿郎さんの大きな胸に飛び込むと、静かに涙を流した。
これから会えなくなるのだから……これぐらいいいよね……