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子犬、拾いました!

第1章 拾った

「あ、あの、私の部屋です… 昨日電車がなくなって」

「そうか!ここ瑠菜さんの家だった!」


寝起きなのに、いきなり飛び起きて、布団に正座した。


「ごめんなさい。瑠菜さん! 居心地が良かったから、つい寝ぼけて実家だと思っちゃって… 起こして欲しいなんて、失礼なこと言ってごめんなさい!」


落ち込んでいる陽太くんは、耳も尻尾も下がった子犬です。


「良いよ。そんなの気にしないで。居心地良いって言ってもらえて嬉しいよ」

「…ごめん」

「気にしないでったら! 朝ごはんできてるから食べようよ」

「マジで!! 顔洗ってくるー!」


さっきまでの反省はどこへやら、尻尾を振って走って行きました。


「陽太くんって本当単純(笑)」


一人暮らしの私にとってこんな朝は久しぶりだった。

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