身体を重ねても、想いはズレたまま
第3章 第3章 店外デート
この日から、頻繁にレナを指名した。
深夜遅くに渋谷入りして、最終客になることが多くなった。
「今日は、このまま泊まるんでしょ。
お仕事終わったら、ここに戻ってくるね」
彼女は、そう言って軽く手を振り事務所に戻っていく。
私の待機しているホテルまで、お弁当をぶら下げて、彼女が本当にやってきた。
この展開を誰が予想するだろう。
そんなことを何度か繰り返すうちに、お互いの携帯番号を交換した。
そうして、プライベートでも彼女と会うようになった。
それからは毎晩のようにメールや電話をし、週末に飲みに出掛けた。
彼女の得意フィールドは渋谷ではなく、六本木や麻布十番。
ショーパブやショットバーに入り込んでは夜半過ぎまで遊んで、ラブホテルに宿泊するというのがお決まりのパターンだ。
私は本名を名乗っていたが、彼女のことは、源氏名のレナのままで呼びかけていた。